第174章 彼女は私たちの娘である資格がない

二人は一瞬きょとんとし、佐藤夫人の瞳に、理解したような光がすばやく走った。

「……うちの、あの出来損ないの娘のことを言ってるの? こちらは詩乃よ。血は繋がっていなくても、私たちにとっては実の娘と同じ。あの子がいなければ、娘を失った痛みから、私たちは立ち直れなかったわ」

佐藤母はそう言って過去を思い返し、眼差しにふっと柔らかさが滲む。

娘がいなくなった日のことを、いまでも覚えている。

昼も夜も祈り続け、手を尽くしたのに――何ひとつ報われなかった。

けれど最後に、あの少女が彼女の前に現れた。

ぽっかりと空いた穴を、欠けた場所を、静かに埋めてくれた。

佐藤父も隣で頷き、追い打ちをかけ...

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